【武士道】~感化~ 700年間続いたサムライの人心掌握術

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おはようございます。

かちゅーです🐭

いよいよ武士道シリーズも終わりを迎えようとしています。

これまで武士道の起源やそれを形づくる様々な徳目、慣習などを細かく説明してきました。

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武士は平安時代末期ごろから日本の歴史においても頭角を表してきましたが、その後明治維新までの700年間存在し続けます。

この長い期間、日本の中心として歴史を動かし人の上に立ってきた武士の精神は700年という悠久ともいえる期間を経て、育まれてきました。

とはいえ、我々が知っているような日本史上の英雄たちをはじめとした武士は、当時の日本人口の中でもごく少数派になります。

それでは、武士の精神性というのは、どのように人々に影響を与えていたのでしょうか?

今日は「武士道の感化(The Influence of Bushido」についてお伝えします。

700年の歴史が証明している武士の超成功


それでは、武士が人々から認められ、繁栄してきた理由を紐解きます。

まず、700年間ものあいだ武士が社会の頂点に君臨し、国を治めてきたという事実を認める必要があります。

これだけの長期間にわたって栄えてきたということは、尋常ではありません。

私はこれまでのブログでも、武士道が醸し出していた雰囲気や、大切にされていた美徳の価値観について書いてきました。

しかしもしそれらが人々から認められないものなのであれば、繁栄することはあり得ません。

いっときの栄光をつかんでもすぐに衰退してしまうのです。

世界史を振り返っても、繁栄してきた文明には必ず人の心を掴むリーダーの存在があります。

また逆に、滅びていった文明には必ず道徳の道を無視した君主や政治があったことも理解できるでしょう。

すなわち、武士が長い間日本において繁栄することができたのには、それに値する理由があったのです。

武士は当時、日本のリーダーとして人々の心を掴み尊敬されていたのでした。

700年間日本の頂点に立ち続けた武士とその精神性から学ぶことは、日本史上最高ともいえる成功事例から学ぶことに匹敵します。

 

武士の人心掌握術


武士道の教えでは、とにかく徳の追求がされました。

新渡戸翁は、「徳は悪徳に劣らず伝染しやすい」と述べています。

すなわち、武士道の徳は民衆に対しても自然と広まっており、まさしく道徳理念の規範として人々の見本となっていたのでした。

何百年もの歴史を通じて育まれてきた道徳思想の結晶が武士道ですから、最終的には相当洗練されたものになっていたことでしょう。

だから誰からも認められるものに実際になっていたのです。

当時の武士は四書五経などと言った中国から伝わる古の教えを中心に教育がされてきました。

四書五経は、古代中国において聖賢と言われた大君主たちの生き方をもとにして書かれた人間等どくの指南書と言っても良いでしょう。

人として本当に大事なことは何なのか、この世の真理道理とは何なのかを追求している学問です。

古の教えが武士道の基盤となっているのは自明ですが、およそそれが教えることは、

「素晴らしいリーダーは誰よりも高潔で気高い生き方をしており、愛情に溢れ、勇敢で人々への感謝の気持ちにいっぱいの人物である」

というものです。

親孝行をしなさい。
礼儀を尽くしなさい。
人に感謝しなさい。
困っている人がいたら助けなさい。
愛情を持って人と接しなさい。
危機が訪れた誰よりも勇敢に戦いなさい。
辛いことが起きても堂々と誇り高くいきなさい。
民の声を聞きなさい。

こう言った教えも、「リーダーの生き方がその集団のあり方を決める」という原理に根付いています。

武士道は、見事にそれを体現したのでした。

武士たちが日々心身の鍛錬に励み、人々の見本となる生き方をすることに従事していたことはこれまでも書いてきました。

それこそが数百万の民を従えるための、究極の人心掌握術だったのかもしれません。

サクラ薫る武士道


新渡戸翁は、武士道の性質を桜に喩えて表現されています。

当時の日本では、

「花は桜木、人は武士」

As among flowers the cherry is queen, among men the samurai is lord.

新渡戸稲造「武士道」(1899)

などと民衆から謳われていたといいます。

桜の堂々とした力強さと洗練された美しさは、現在の我々の心も魅了してくれますが、それはかつての時代でも一緒でした。

桜はバラと違い、鮮やかな色彩や妖艶な香りを持ち合わせている花ではありません。

バラには妖艶な魅力があり、艶やかな香りを放ちます。その雅な出で立ちには人々の心を誘うものがあります。

また茎にはトゲがあり、攻撃性や危険性も持ち合わせているのもバラの魅了を引き立てる特徴の一つでしょう。

一方の桜は、地面に深く根付いた大木の先に、淡い色を放ちながら咲きます。

そこに派手さや壮観さはありませんが、満開に咲き誇った時は、言葉にならないほどの美しさで人々の心を掴んで話しません。

そこには攻撃性もなければ危険性もなく、人々の心を包み込むような包容力を感じさせます。

また、満開に咲き誇った後は潔く散っていく用意が桜にはあります。

生への執着を連想させるバラと、

死への覚悟を連想させる桜。

どちらも美しく、人々の心をよく表しているものだと思います。

しかしながら、どうしても桜の美しさの方に目を奪われ、自分もそうありたいと感じてしまいます。

それは単なる私の好みなのでしょうか。

それとも、私の中には日本人の大和魂や武士道の精神が深いところで根付いているからなのでしょうか。

はたまた、桜が断固として持ち合わせている強さなのでしょうか。

 

最後に


いかがでしたでしょうか。

質問や感想などをコメントでシェアしていただけますと幸いです。

日本人として世界にはばたく人材が増え、グローバル競争の激化が進む現代社会においても日本が高いプレゼンスを発揮できるよう私も全力を尽くします。いずれは世界が一つになり、平和で豊かな社会になるような一助となれば幸いです。

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