どうも、やり抜く力トレーナーのひろあきです^^
今日は、グリット(grit; やり抜く力)が世界で初めて提唱された論文の紹介をします。

一つの目標に向かって粘り強く努力を積み重ねることこそが、成功のカギになる・・
このことを科学的に実証した非常に興味深い研究です。
成功のカギはやり抜く力
この論文は、ペンシルベニア大学の心理学者、アンジェラダックワース博士によって2007年に書かれました。
彼女はのちに「GRIT~The Power of Passion and Perseverance~」という本を2016年に出版しています。
この本は日本でもかなり話題になり、2017年のビジネス書大賞にもノミネートされました。

これが大きく後押しして、現在ではビジネスや教育・スポーツの世界でもやり抜く力の重要性が問われるようになってきました。
やり抜く力を伸ばそうという働きや、企業の採用などでやり抜く力の資質を求められるような流れがよく見られます。
そんなやり抜く力を科学的な概念として表したのがグリットです。
今回は、学術研究にあまり親しくない方でも理解できるよう、統計用語や専門性の高い部分については省略したり言い換えたりしています。
科学に精通している方からすると、説明が不十分に感じたり厳密性を欠いているように感じるかもしれませんがご了承ください。
細かい質問などございましたらこちらからお問い合わせを^^
才能があるかないかよりも、自分の才能を最大限に引き出しているか
この論文の冒頭では、20世紀初めに活躍した心理学の巨匠、ウィリアム・ジェームズが1907年に発表した論文「人類の力(The Energies of Men)」からの一文が紹介されています。
下記がその引用です。
一度ご覧ください。
我々は本来のあるべき姿と比べて、ほんの半分しか目を覚ましていない。我々の炎は弱められ、草案には手が入る。我々は本来潜在的に持っているはずの心の資源のうち、ほんの一部しか使えていないのだ。この世の人類みな、潤沢な資源を持っている。ただこの世で類まれな功績を上げている人材のみが、その資源を活用できているというだけなのだ。
Compared with what we ought to be, we are only half awake. Our fires are damped, our drafts are checked. We are making use of only a small part of our possible mental resources…men the world over posses amounts of resource, which only exceptional individuals push to their extremes of use.
William James, 1907
この論文の中で、ジェームズは心理学者が解明するべき以下の二つの課題を提示しました。
- 人間が持つ能力にはどのようなものがあるか?
- 人間はどのような手段を使ってそれらの能力を解き放つのか?
人間が持つ能力
それから100年にわたり、心理学の世界では人間が持つあらゆる能力についての解明が進められてきました。
例えば、知的能力に関する論文は山のようにあります。
その成果もあって、今日ではIQと成功の関わりや、IQの測定方法などが、かなり緻密に練り上げられています。
人間の能力を解き放つもの
一方で、ジェームズの二つ目の課題に関しては、比較的研究が少ないようです。
なぜ多くの人々がほんの一部の潜在能力しか発揮できていない一方で、ほんの一握りの限られた人間は限界近くまで力を発揮しているのでしょうか?
これを踏まえて、この論文では、
「同じくらいの知力を持つ集団の中で、他よりも目覚ましい成果を上げる人がいるのはどうしてか?」
という課題の答えを探求するべく研究が行われました。
押さえておこう!
この論文が明らかにしようとした研究課題
同じくらいの知力を持つ集団の中で、他よりも目覚ましい成果を上げる人がいるのはどうしてか?
why do some individuals accomplish more than others of equal intelligence?
グリットについて知ろう!
まずは、グリットという概念について整理しましょう。
グリットの定義
グリットは、
「長期的目標に対する粘り強さと情熱」
と定義されました。
キーとなるポイントは3つです。
- 長期的目標
- 粘り強さ
- 情熱
グリットは、多くの人が挫折してしまったり、諦めてしまったりするような局面においても目標達成に向けて努力し続ける資質です。
特徴として、グリットはマラソンに例えられます。
グリットが高いことによる利点は、爆発的な力でもなく、賢さでもなく、スタミナです。
このような資質がいわゆるグリット、やり抜く力としてこの研究の論理は進んでいきます。
押さえておこう!
グリットの定義
長期的目標に対する粘り強さと情熱 Passion and perseverance for long-term goals.
グリットが成功のカギだという根拠
言うまでもなくこの論文は、グリットが成功において不可欠なものであるという仮説のもと進んでいきます。
この仮説は、あらゆる分野におけるプロフェッショナル達に向けてダックワースが行ったインタビューを分析した結果生まれたものです。
このインタビューではダックワースが問いかけたのは、
「スターパフォーマーが他との違いを作る資質は何だったのですか?」
と言う質問でした。
その結果、質問を受けた多くの人が、
大きな成果をあげた人は他者よりも才能やセンスに優れていたと言うよりも、自らの野望や目標に対する執着心がずば抜けていた人だった。
と言う供述をしたのです。
また同様に、
最初はすごいと思っていた人が必ずしも最終的にすごい成果をあげたというわけではない
という供述も多かったことにダックワースは着目します。
実は、この発見を裏付ける研究結果が、これより以前から発表されていました。
例えば1892年には、ガルトンという科学者が過去の偉人たちの伝記の分析をもとに、能力だけで成功がもたらされることはないだろうと結論づけています。
また、1926年にコックスが行った研究では301人の偉人たちのデータを集めて概算のIQを算出した結果、成功の度合いとIQにある関係はそれほど大きくなかったという報告をしています。
このような過去の研究も踏まえて、ダックワースはグリットの成功における重要な要因としての妥当性を確かめるべく、さらなる調査に乗り出します。
押さえておこう!
ダックワースは多岐にわたる分野のプロフェッショナル達に対するインタビューと過去の研究データをもとに、
「グリットは成功において不可欠な要因である」
という仮説を立てて研究に取り組んだ。
人間の性格と成功の関係
グリットは、性格の一つであるとされています。
そこでダックワースは、グリットがいかに成功において大切かを確かめる前に、人間の性格特性と成功との関わりについての考察を述べました。
実は過去の研究データでは、成功において人間の性格はあまり関係ないのではないかということが示唆されているのです。
今日存在する人間の性格を分類したもので最も有名なものに、ビッグファイブがあります。
これは人間の基本的性格を、
- 勤勉性 (conscientiousness)
- 外向性 (Extroversion)
- 開放性 (Openness to Experience)
- 神経症傾向 (Neuroticism)
- 協調性 (Agreeableness)
の5つに分けたものです。
これまで様々な研究によって、ビッグファイブと成功の関わりに関しての調査がされてきました。
残念ながらそれらの結果からは、人間の性格と成功の間に大きな関係があるということは示唆されてきていません。
それよりも、IQや親の年収、生まれ育った環境などの方が成功における遥かに大きな要因として挙げられてきたのです。
しかしダックワースは、この文脈にチャレンジをします。
ビッグファイブは人間の性格を大まかに分類したものにすぎません。
ですから、人間の性格をさらに細かく分類すれば、成功に結びつく資質を発見できる可能性があるだろうと主張したのです。
この論理は、いくつかの先行研究からもサポートされています。
ダックワースは以上を踏まえて、改めてグリットが成功に関わる重要な要素であることを検証する調査を行いました。
押さえておこう!
- これまでの研究で成功における資質として明らかになってきたのは親の年収やIQ、環境などだった。
- この研究では人間の性格的な特徴にも成功に大きく関わるものがある可能性を検討して、グリットと成功の関係性を実証する調査を進めた。
グリット診断の開発
ここから本格的にグリットに関する調査が進んでいきます。
ダックワースがまず最初に取りかかったのはグリット診断の開発でした。
インタビューを通じて、
グリット(一つの目標達成に向けた情熱や逆境での粘り強さ)が成功をもたらす
という仮説が立てられたものの、グリットを測定するまでの手段がまだ存在していませんでした。
そこでダックワースは、独自にグリットの診断アンケートを作成しようと試みます。
押さえておこう!
グリットを診断するアンケートはこの研究によって作成された!
グリットに関する6つの研究
いよいよここからが調査です!
一応ここまでの流れをまとめておきましょう!
- 人間が本来持つ能力を最大限引き出すために求められる資質はなんなのか、あまり研究されてこなかった。
- 今まで成功をもたらすものとして明らかになってきたのはIQや環境など。
- この研究では、「グリット(やり抜く力)がIQに勝るとも劣らない成功者と凡人を隔てる要因である」という可能性を検討した。
研究1 グリット診断の作成と正当性の検討
第一の研究では、グリット診断が開発されました。
作成されたグリット診断は、ダックワースが行った上述のインタビューや統計処理をもとに、正当性が確かめられました。
「調査対象」
www.authentichappiness.org.というWebサイトに登録している50万人以上のユーザーから集まった1,545人の成人。
「グリット診断の開発」
グリットをするためのアンケートが作成されました。
アンケートの作成においては、まずグリットを表しそうな27項目の質問を作って調査対象となった1,545人に答えてもらい、正当性が認められた12項目に絞られました。
また、12項目の質問は、
”興味の一貫性 (情熱)” を表す6項目と、”努力の粘り強さ (粘り強さ)“ を表す6項目から成り立つことがわかりました。
押さえておこう!
・本研究で作成されたグリット診断(日本語版)↓英語のオリジナル版はこちら
情熱(興味の一貫性)
- 新しいアイディアや計画によって、それまで取り組んでいたことから注意がそれることがある
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる- あるアイディアや計画に一時的に夢中になっても、あとで興味を失うことがある
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる- 数ヶ月以上かかるような計画に集中して取り組み続けることは難しい
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる- 私の興味は年々変わる
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる- 目標を決めても、後から変えてしまうことがよくある
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる- 数ヶ月ごとに新しい活動への興味がわいてくる
(5) 全く当てはまらない
(4) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(2) かなり当てはまる
(1) 非常に当てはまる粘り強さ(努力の粘り強さ)
- 私は精魂傾けてものごとに取り組む
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまる- 重要な試練に打ち勝つため、困難を乗り越えてきた
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまる- 数年にわたる努力を要する目標を達成したことがある
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまる- 私は頑張り屋だ
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまる- 始めたことは、どんなことでも最後までやりとげる
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまる- 困難があっても、私はやる気を失わない
(1) 全く当てはまらない
(2) 当てはまらない
(3) やや当てはまる
(4) かなり当てはまる
(5) 非常に当てはまるその他の様々なグリット診断は下記から↓↓↓
決定版!! グリット診断|やり抜く力を測る診断尺度
「グリットと学業経歴及び年齢の関係」
この調査では、対象者にグリット診断のアンケート以外にも年齢や学歴、性別などを質問しました。
その結果、二つの興味深い発見がされています。
一つは、グリットと学業経歴の関係です。
グリットの高い人は、より高水準の教育課程を修了している傾向にあることがわかりました。

グリットと修了教育課程
二つ目は、グリットと年齢の関係です。
年齢が高い人ほどグリットも高い傾向にあるデータが示されたのです。

グリットと年齢の関係
しかし、このデータからは加齢と共にグリットが高まっていくということは主張できません。
なぜなら、今回の調査ではアンケートで回答者の年齢とグリットを聞いただけなので、両者の因果関係を説明することができません。
もしかしたら、年齢を重ねるとグリットが高まるのではなく、世代として次第にグリットが弱まっている可能性もあります。
特に最近では、若者のやり抜く力が弱くなっているのではないかという声すら囁かれているくらいです。
すなわち、このグリットと年齢のデータから言えることは、両者間にある因果関係ではありません。
グリットは変動しうるという事実です。
押さえておこう!
- グリットが高い人は高水準の教育課程を修了している傾向にある。
- 高い年齢層のグリットは低年齢層のグリットよりも高い傾向にある。
- グリットと修了した教育課程や年齢との間にある因果関係についてはまだ示唆ができないとはいえ、グリットは何らかの要因によって変動する可能性があることが伺える。
研究2 グリットと勤勉性の関係、及びキャリアチェンジの回数
研究2では、グリットとビッグファイブ特性との関係が統計的に分析されました。
その後、グリットが高い人は人生においてキャリアを変更する回数も少ないのではないかという仮説も検討されました。
「調査対象」
www.authentichappiness.org.というWebサイトに登録している50万人以上のユーザーから集まった706人の成人。
「グリットとビッグファイブ特性との関係」
最初に、グリットとビッグファイブ特性それぞれとの相関関係が分析されました。
その結果グリットと勤勉性の間には強い正の相関 (r=.77) があることがわかりました。
すなわち、グリットと勤勉性は非常に似た概念であることが示されたのです。
「勤勉性を統制した後のグリットと修了した教育課程、及び年齢との関係」
次に、勤勉性を統制した場合の分析がされました。
その結果、研究1の結果と同様に、
・グリットが高い人は高水準の教育課程を修了している傾向にあること
・そして高い年齢層のグリットは低年齢層のグリットよりも高い傾向にあること
ことが示されました。
押さえておこう!
- グリットと勤勉性の間には強い正の相関があり、両者は類似している。
- 勤勉性を統一した場合でもグリットの正当性は統計的に認められた。
研究3 エリート大学に通う学生のGPAとグリット
研究3では、アメリカのエリート大学に通う学生の累積GPA (Grade Point Average) やSAT(日本でいうセンター試験のようなもの)のスコアとグリットの関係が調査されました。
「調査対象」
ペンシルベニア大学で心理学を学ぶ大学院生139名。
「グリットと累積GPAの正の相関」
相関分析の結果、グリットが高い学生のGPAはグリットが低い学生のGPAよりも高い傾向にあることが示唆されました。
また興味深いことに、グリットが高い学生のSATスコアは低い傾向にあることも示されました。
つまり、元から賢い学生のグリットは低い傾向にあるのにもかかわらず、グリットが高い学生の成績は良い傾向にあることが示されたのです。
押さえておこう!
- グリットが高い学生は好成績を残す傾向にある。
- SATスコアが高い学生のグリットは低い傾向にある。
研究4 グリットとアメリカ陸軍士官候補生の離脱率
さて、僕にとってはここからが一押しの研究成果になってきます!!
研究4では、アメリカ陸軍士官候補生の強化訓練「ウェストポイント」の参加者を対象に調査がされました。
「背景」
アメリカ陸軍士官候補生には、学校での成績がトップクラスなだけでなく、クラブ活動でも目覚ましい成果をあげ、かつリーダーシップに優れた一握りの逸材しかなれません。
その選考基準はとてつもなく厳しいものです。
しかし、選考を潜り抜けた選りすぐりのメンバーにも関わらず、その強化訓練ではあまりの過酷さゆえに毎回途中離脱者が出ていました。
厳しい訓練を乗り越え、晴れて候補生を卒業して陸軍に入隊するために必要な資質とはなんなののか、アメリカ陸軍にとっては長年の課題でもあったのです。
そこでダックワースに声がかかり、研究に乗り出しました。
「調査対象」
2004年の強化訓練に参加したアメリカ陸軍士官候補生1,218人。
「グリットと強化訓練の離脱率」
ダックワースは、士官候補生のグリットを事前に調べ、強化訓練が修了した時点で分析を行いました。
分析の結果、強化訓練を最後までやり抜いた候補生のグリットは、途中でリタイアしてしまった候補生のグリットよりも、強化訓練開始の時点で高かったことが明らかになりました。
すなわち、アメリカ全土から集められた選りすぐりのエリート集団の中で過酷な訓練を最後までやり抜いたのは、特に才能が認められていた人ではありませんでした。
グリット、すなわちやり抜く力が高い人だったのです。
押さえておこう!
- グリットはアメリカ陸軍士官候補生の強化訓練をやり抜かせる大きな要因であることがわかった。
- グリットと候補生の優秀さを図る成績スコアに関連性は認められなかった。
→優秀か否かに関わらず、グリットが高いと強化訓練をやり抜ける傾向にあることが分かった。
研究5 グリットと勤勉性が持つ離脱率への影響比較
研究5では、研究4と同様にアメリカ陸軍士官候補生を対象にグリットと強化訓練の離脱率の関係が調査されました。
ここでは、ビッグファイブの勤勉性で統制された場合の影響が分析されています。
「調査対象」
2006年の強化訓練に参加したアメリカ陸軍士官候補生1,308人。
「勤勉性を統制した場合のグリットと強化訓練の離脱率」
分析の結果、グリットが高い士官候補生はやはり強化訓練の離脱率が低い傾向にあることがわかりました。
また、勤勉性や候補生の優秀さを図る成績スコアについても分析されましたが、候補生の離脱率を統計的にきちんと説明できていたのは、グリットだけでした。
押さえておこう!
- グリットが高い候補生は、強化訓練を最後までやり切る傾向にあった。
- 勤勉性や候補生の成績スコアが高くても低くても、強化訓練の離脱率には関係がなかった。
研究6 グリットと意図的な練習
さあ、いよいよ最後の研究です。
この研究では、グリットが高い人はどのようにスキルを獲得していくのかについて調査分析が行われました。
全米スペリング大会の決勝戦出場者を対象に、彼のグリットと練習方法、そしてその結果を追跡したのです。
グリットの他にも、自己制御力やIQなども計測して行われたこの研究・・
その結果はなんとも興味深いものでした。
「調査対象」
2005年の全米スペリング大会出場者273人のうち、調査協力に応じた175人。
「グリットが高い出場者は意図的な練習を多く積み重ね、人一倍の成果を上げていた」
調査分析の結果、グリットが高い出場者は意図的な練習と呼ばれるトレーニングを積み重ねて大会準備をしていたことがわかりました。
意図的な練習とは、今日世界的に認められるスキル獲得法で、一流と呼ばれる人が必ず行っているといわれるものです。
これは、
- 明確で現状よりもやや高い目標設定
- パフォーマンスに対する迅速なフィードバック
- 弱点の克服
- 最大集中力の発揮
の4つの条件を満たした時に規定される練習方法です。
このトレーニングは性質上、かなりの精神エネルギーを消費するともいわれており、いわゆる辛い練習になります。
しかしこの練習は世界で最も強力といわれているスキル獲得法でもあり、その有効性は科学の世界ではかなり認められています。
この研究の結果、グリットが高い出場者はグリットが低い出場者に比べて多くの意図的な練習を積んでいることがわかりました。
そして、より多くの意図的な練習を積んだ出場者は、スペリング大会本番においても他よりも優れた成果を出していたのです。

グリットと意図的な練習、パフォーマンス
他にも、自己制御力やIQも同時に分析されましたが、グリットは最も大きく意図的な練習およびスペリング大会での成績に関与しているものであることがわかりました。
押さえておこう!
- グリットが高い人は苦しい練習とされている意図的な練習をより多く積む傾向にあった。
- 意図的な練習を多く積んだ人はスペリング大会本番においても優秀な成績を収めた。
- IQや自己制御力と比べても、グリットはスペリング大会の成功により強く関わっていた。
グリットに関する6つの研究を踏まえての考察
グリットは、IQなどの才能や能力を表すものとは相関がないものであることがわかりました。
すなわち、才能の有無にかかわらず、高いグリットを持つことは可能であることが示されたのです。
さらにグリットは、特定の場面において勤勉性や自己制御力、IQなどと比べても成功をより強く予測するものであることも示されています。
今回の研究ではまだ解明されていない点もたくさんありますが、グリットと成功の関係を示した非常に貴重な論文と言えるでしょう。
もしかしたら、
能力の高さやポテンシャル、頭の良さ、持って生まれたアドバンテージなどと同等に、
グリットは評価されるべきかもしれません。
近年では、情報の拡大に伴って我々には多くの選択肢が与えられています。
このような時代だからこそ、一つのことに集中し、人よりも長く取り組み続ける資質が重要になっていくのかもしれませんね。
最後に
いかがでしたでしょうか?
僕はこの論文を読んで人生が変わりました。
読み終えた時に、しばらく鳥肌がとまらなくなったのは鮮明な記憶として残っています。
世界には、人々に勇気を与える素晴らしい研究がたくさんあります。
それらの一部を紹介することで、あなたの幸せに貢献できたら幸いです。
インスタグラムやFacebookでもグリットの論文を紹介しています。
下記のリンクからぜひ登録をお願いします^^
学ぶでこと、やり抜くことで、あなたの人生は大きく輝き出します。
ムリに頑張らなくても、大丈夫です。
まずは自分が踏み出せる小さな一歩から。
あなたがびっくりするような、衝撃の結末が、待っているんじゃないかな。
質問や感想などをコメントでシェアしていただけますと幸いです。
日本人として世界にはばたく人材が増え、グローバル競争の激化が進む現代社会においても日本が高いプレゼンスを発揮できるよう私も全力を尽くします。いずれは世界が一つになり、平和で豊かな社会になるような一助となれば幸いです。
あわせて読みたい!!



コメント