おはようございます。

かちゅーです🐭

前回までは武士の七徳についてブログ行きました。

今日は当時の武士道教育（The Education and Training of a Samurai）について書きます。

いかにして侍の人格形成はされていったのでしょうか！？

武士の教育方針

武士の教育は、常に実戦に即して行われました。

サムライとしての教育のゴールは高潔で磨き上げられた人格の形成にあったため、

学問や哲学に関する素養は二の次とされていたのです。

以前にも書きましたが、武士道は道徳理念の規範として人々から尊重されていました。

ですから武士道を極めることはすなわち、人間としての道を極めることであったのです。

江戸時代の寺子屋などで使用されていた教材は、四書五経をはじめとした人間倫理や宇宙の原則を問うものばかりでした。

当時の子供たちは、小さい時からそういった書物を漢文のままに誦じていたと言います。

そのため、古来より伝わる人間道徳の礎が自然と身に染み込んでいたのでしょう。

とはいえ、知識を持っているだけでは人から尊敬されることはありませんでした。

単に学識の高いだけの人物は頭でっかちで中身のないものとしてむしろ低い評価を受けました。

武士道を支えていたのは、智・仁・勇、

すなわち知恵と博愛心と勇気だったからです。

この「智」があらわしているのは、人間としての賢明さです。

知識も完璧にその人の人間性にまで現れるほどに身について初めて「知恵」となり、

人から認められたということです。

ですから、教養深い人物であっても武士として人の道に通じていなければ、人望を得ることはなかったのです。

武士の教育課程

その訓練は、主に行動を伴うもので行われました。

新渡戸翁によると、武士の教育課程の主となっていたものは、

剣術、弓術、柔術、馬術、槍術、兵法、書道、道徳、文学、歴史

によって構成されていたと言います。

現代の教育の主となっているのが、国語、数学、英語、理科、社会であるのと比べると、

いかに武士が精神と肉体の鍛錬による高い人格の形成に従事していたのかが伝わってきます。

余談ですが、現代の若年層は自己肯定感がとても低いというデータがあります。

世界的に見ても日本人の自己肯定感は低く、現にそれが原因で悩んでいる人もたくさんいます。

よろしかったら、内閣府が発行しているこちらの調査結果をご覧ください。

さらに、日本人の死因第1位はうつ病による自殺であることをご存知でしょうか？

これは先進国の中でも日本だけのことです。

悲しいことですが、もう少し小さい頃から道徳教育に力が注がれていればこのデータも改善されると私は考えています。

特に歴史上の偉人について深く知ったり、中国古典を読んだりすると、

自分がまるで大海の一滴のような存在であることに気づくのです。

不思議なことですが、すると自分の悩みがちっぽけに思えるだけでなく、力がみなぎってくるのです。

この得体の知れないエネルギーの源はなんなのか。

現状の私の知識の範囲では、最先端の西洋科学をもってしても説明できません。

不思議なものです。

武士道教育に欠けていたもの

さて、話を戻します。

上述した武士の教育課程の中で、軍事訓練に置いて必須項目でありながら、武士の教育に欠落していたものがあると新渡戸翁は言います。

それは、算術です。

当時は算術や財政管理といった仕事は忌み嫌われていたのです。

そういった仕事は、身分の低いものが担当していました。

「武士の家計簿」という映画は話題を呼びましたね。

当時から、優れた金銭管理が政治や経済をうまく回していくために役立つと気づいていた人もいたようですが、

それをあえて重く取り立てるということはしなかったようです。

なぜ数字や金銭の管理がこのように軽視されていたかというと、武士道教育において好ましくない点があったからだと新渡戸翁は言います。

武士は徹底した倹約家でした。

質素な暮らしを送ることを美徳とされていたため、贅沢をするようなことは卑しいものとして蔑まされたのです。

日々心身の鍛錬に努め、

人には優しく、

親には孝心を以って接し、

自分の命よりも国のため、

人のために誇り高く生き、

最後は美しく死ぬ

そして普段は質素倹約につとめた生活を送る。

というのが武士の生き方だったのです。

したがって富や財産を築こうなどという精神を持てば、不届きものとして扱われてしまいました。

裕福で贅沢な暮らしは、人間道徳を阻害するものと考えられていたようです。

極端にも思えますが、そのおかげで250年以上も日本に平和をもたらしたという点においては、割と的をえていたとも伺えます。

現代社会において、武士の教育をそのまま取り入れることにはどうしても無理があるでしょう。

また、資本主義社会の日本においては、富を求めることになんら問題はありません。

むしろ、国民一人一人が自分の富を追い求めることは国の経済の発展につながります。

詳しくはアダム・スミスの「国富論」から理解していただければと思います。

そのうち「国富論」や「資本論」といった経済学的古典についても書いていくかもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか。

質問や感想などをコメントでシェアしていただけますと幸いです。

日本人として世界にはばたく人材が増え、グローバル競争の激化が進む現代社会においても日本が高いプレゼンスを発揮できるよう私も全力を尽くします。いずれは世界が一つになり、平和で豊かな社会になるような一助となれば幸いです。

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