もし天才の定義を、’努力せずに優れた成果を上げること’とするなら、私は天才ではありません。しかし、もし天才の定義を、’己の全存在をかけてその道を極めるために努力をし続けること’とするなら、私は天才です。そしてその覚悟があるなら、あなたもまた、天才なのです。
ーアンジェラ・ダックワース
ペンシルベニア大学の心理学者、アンジェラ・ダックワース博士は、2013年にマッカーサーフェローシップを受賞しました。
この賞は、アメリカではノーベル賞と並んで評価されているもので、別名「天才賞(Genius Award)」と呼ばれています。
彼女が世界的にも注目を浴びるようになったのは、彼女が自身の研究によって、世の中で天才と呼ばれる人たちの根源のヒントを突き止めたからでした。
彼女の血の滲むような努力の結晶を見事に文字にしたためたものが、数年前に話題を読んだ著書、「Grit(やり抜く力)」でした。

Grit – The power of passion and perseverance (2016) By Angela Duckworth
こんにちは!
今日は私の人生にも大きなインパクトを与えてくれたダックワース博士の研究「GRIT」についてお伝えさせていただきます!
成功のカギは、「やり抜く力」
ダックワース博士が突き止めた一流の共通点、それは「やり抜く力」でした。
英語ではグリット(GRIT)といいます。
世の中には、確かにある分野において目覚ましい才能を持っている人たちがいます。
他の人よりも明らかに学習スピードが早かったり、身長が大きかったり、走るのが速かったり、
あなたの人生においても、そのような人たちはいたことと思います。
ですが、そのような才能溢れる人たちが成功しているかどうかというと、そうでもなかったりしませんか?
例えば少し授業を聞いただけで複雑な数式を理解できてしまう人たちも、受験の時や期末試験で必ずしも目覚ましい成績を上げるかというと、そうとは限りません。
幼少の頃は神童と言われたピアノ演奏の金の卵が、大人になると全く名を聞かれなくなるということもよくあることです。
では、本当に成功者を成功者たらしめるものはなんなのでしょうか?
一流を一流たらしめるもの、天才を天才たらしめるものは、どこにその要因があるのでしょうか?
ダックワース博士の研究
ダックワース博士は、
「成功するのはどんな人か?」
「成功者が成功するのはなぜか?」
といったことをテーマに研究を進めました。
成功哲学の書を読み漁り、成功の科学的実証データを集め、さらに自ら直接あらゆる分野のエキスパートたちにインタビューを重ねました。
そして分析に分析を重ね、ついに明らかになった発見がありました。
成功者と凡人を分かつもの、
それは、持って生まれた才能ではなかったのです。
IQでもなく、見た目の良さでもなく、運の良さでもありませんでした。
それは「やり抜く力」だったのです。
情熱と粘り強さ
やり抜く力は、情熱と粘り強さの2つの要素で成り立っています。
情熱とは、ある一つの取り組み対する「興味・関心の一貫性 (consistency of interests)」です。
一方の粘り強さは、その取り組みに対する「努力の粘り強さ (perseverance of effort)」を表しています。
やり抜く力は、この二つをあわせたものです。
その定義は、「長期的目標に対する粘り強さと情熱」とされています。
やり抜く力(GRIT)定義
長期的目標に対する粘り強さと情熱
perseverance and passion for long-term goalsアンジェラ・ダックワース他(2007)
やり抜く力が真価を発揮するとき
ダックワース博士がやり抜く力と成功の関わりを科学的実証によって明らかにしたのは、2007年が最初でした。
それ以来、ダックワース博士を初め欧米を中心にやり抜く力に関する様々な研究がされてきています。
その中で特に明らかになっているのは、
やり抜く力は長期にわたる継続的な努力を要する取り組みにおける成功と特に密接に関わっているということです。
数々の実証データ
例えば、アメリカ陸軍士官候補生の訓練における離脱率とやり抜く力の関係を調査した研究があります。
その研究では、過酷な訓練を途中で挫折することなく最後まで続けた訓練生のやり抜く力は高い傾向にあることがわかりました。
また、アメリカのスペリング大会の出場者のやり抜く力を調査した研究では、やり抜く力が高い出場者はより厳しい訓練を自らに課し、結果的に本番での高いパフォーマンスに結び付けていることが明らかなデータとなって浮かび上がりました。
やり抜く力は才能を凌駕する
さらに興味深い点は、やり抜く力の効力は時として持って生まれた才能を凌ぐということでしょう。
当然のことながら、成功と才能は密接に結びついています。
バスケットボール選手やバレーボール選手で言えば、身長が高いだけで大きなアドバンテージなることからもそれが伺えるでしょう。
走るのももともと運動神経のいい選手の方が大成しやすいいのは当然のことです。
しかしダックワース博士の研究では、やり抜く力が才能よりも成功に関係している場面がある可能性も示唆されています。
アメリカのエリートクラスの大学に通う学生を対象に、学校の成績(GPA)とやり抜く力の関係を調査した研究では、IQとやり抜く力でどちらの方が成績に密接に関わっているのかを分析しました。
その結果、より効力が強かったのはやり抜く力の方だったのです。
当然、その場面や取り組む分野によってやり抜く力の効力の幅は変化しますが、
この研究からいかにやり抜く力が成功において重要な役割を担っているのかが科学的実証によって示されました。
やり抜く力は伸ばすことができる
以上のように、やり抜く力の成功に対する密接な関わりは様々な研究によってなされてきました。
では、やり抜く力そのものは、伸ばすことが可能なのでしょうか?
それとも、困難な状況においても粘り強く情熱を発揮し続ける資質というのは、その人が持って生まれた才能なのでしょうか?
この問いに関して、現在の科学が導き出した答えは、「やり抜く力は伸ばせる」ということです。
やり抜く力は経験とともに変化することが分かっています。
イギリスの研究では、やり抜く力のうち粘り強さが遺伝によって受け継がれるのは40%だと報告されています。
一方の情熱が遺伝によって影響を受けるのはたったの20%でした。
すなわち、やり抜く力の大半の部分はその人が人生を通じて得た経験によって左右されることが示されているのです。
実際に、アメリカの成人1500人以上を調べた研究では、やり抜く力は年齢と共に上昇する傾向があることが分かっています。
この研究から、年を重ねるごとに私たちがやり抜く力を高めていけると解釈していますのは尚早ですが、少なくともやり抜く力は変化するものであるという事は伺えます。
やり抜く力を高める方法
やり抜く力を高めるための具体的な手法を科学的実証によって証明した研究というのは、実はほとんどありません。
しかしながら、世の中には「成功の科学」というものがあります。
これまでの心理学や脳科学、生理学、人類学などの知見を生かしてみれば、理論的にも経験的にもやり抜く力を高めるための方法というのは考えることができそうです。
例えば、人間の脳の性質として「楽しい事は続けざるを得ない」というものがあります。
人間は楽しい事はやめられないのです。
これは人間が何かに達成感を得たり欲求が充足されたりしたときに、脳内にドーパミンという中毒性の高い快楽物資を分泌することに由来します。
すると人間は理性では自分のコントロールができなくなってしまうのです。
例えば長時間のYouTube視聴やSNSの徘徊、暴飲暴食などがやめられないのはこれが原因と言われています。
脳内にドーパミンがドバドバ出ちゃってるんです!!
しかしこれを逆手に取れば、やり抜く力を高めることができます。
・あなたは、自分の取り組みにワクワクしてますか?
・最高に楽しんでいますか?
・鼻血を出していますか?
楽しむというのは、技術であり、決意です。
あなたがそれを楽しむかどうかは、100%、あなたの「意思決定」に委ねられています。
何か継続したいと思う取り組みや叶えたい夢がある場合には、まずは思いっきりワクワクしましょう!!
そして達成せずにはいられなくなるくらいその成功イメージを描ききるのです。
必ずあなたのやり抜く力は強固なものになると思いますよ!
天才とはなにか
冒頭の引用でもお伝えしましたが、ダックワース博士は天才の定義を「全存在をかけて努力を続け、その道を極めること」だといいます。
「自分の取り組みに全存在をかけること、それこそが才能である。」
というのが、膨大なデータを元に成功とは何かを研究し尽くし、その研究成果によって全米から「天才」と謳われた科学者が導き出した答えです。
素晴らしくないですか!?
勇気をもらえますよね。
あなたの夢や目標も、あなたの力の限り日々取り組んでいけば、きっと光は見えてくるのではないでしょうか?
やり抜く力は幸せとも密接に関わっていることが分かっています。
やり抜く力を高めることで、充実した人生が送れるようになるというデータは山ほどあります。
あなたも是非、強いやり抜く力を手に入れて、輝く人生をお送りください。
今回は以上です!!
それでは、今日も最高の1日を過ごしましょう!
あなたの人生がとびきり輝きますように。
ありがとうございました!
それでは行ってらっしゃい!!
最後に
いかがでしたでしょうか。
人生って最高に楽しいですよね!
学ぶでことで、あなたの人生は大きく輝き出します。
頑張らなくても、大丈夫です。
まずは自分が踏み出せる小さな一歩から。
あなたがびっくりするような、衝撃の結末が、待っていますよ!
質問や感想などをコメントでシェアしていただけますと幸いです。
日本人として世界にはばたく人材が増え、グローバル競争の激化が進む現代社会においても日本が高いプレゼンスを発揮できるよう私も全力を尽くします。いずれは世界が一つになり、平和で豊かな社会になるような一助となれば幸いです。
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