【武士道】~女性の訓練と地位~ 数百年に渡り受け継がれ、育まれてきたサムライの精神

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おはようございます。

かちゅーです!

今日は、「女性の訓練とと地位(The Training and Position of Woman」について書きます。

当たり前ですが、かつて武士と言う肩書きを持っていたのは男性でした。

そのため、これまではどうしても男性を対象としたお話ばかりになってしまったのですが、新渡戸翁は武士道における女性の働きについても言及しています。

 

武士道における理想の女性


現在でこそ、男女平等社会にむけた推進運動が盛んになっています。

まだまだ改善の余地が大いにあると言う意見もありますが、とりわけ「進歩」と言う観点から見れば近年では世界的にも日本国内でも改善されてきているのではないでしょうか。

しかし、サムライの時代の日本では、男性と女性には明らかな身分上の差異があったようです。

これはとりわけ、武士の家庭で起きていた話だったとも新渡戸翁はいいます。

と言うのも、身分が低い階級の家庭ほど男女間の立場が平等に近いものだったからです。

武士道における女性の理想像は、著しく家庭的なものだったといいます。

また、武士道は本来男性のためであったため、武士道が女性に対して掲げていた理想も、女性的なものとはかけ離れていたといいます。

ここでは新渡戸翁の言葉をそのまま引用させていただくこととします。

・・武士道も「おのれの性別上のか弱さから自らを解放し、勇猛果敢で剛毅な男性にも匹敵する英雄的な不屈の精神が表れている」女性をたたえた。

(Bushido) praised those women most “ who emancipated themselves from the frailty of their sex and displayed an heroic fortitude worthy of the strongest and the bravest of men.”

新渡戸稲造「武士道」(1899)

そのため、私がこれまでのブログでも示してきたような武士道の鍛錬 感情の抑制、精神修行、武術など は、ある程度女性にも求められていたようです。

 

武士を陰で支えた女性の働き


女性は武術などの他にも舞踊や文学といった芸術においても稽古を積みましたが、これらは体臭に向けて披露するためのものではなく、あくまでも家庭内のためとして行われました。

と言うのも、武士道が女性に求めていたのは家庭的で献身的な姿だったからだといいます。

これは、映画「ラスト・サムライ」をご覧いただければ、様子が掴めそうですね。

小雪さんが演じた「タカ」と言う女性が登場しますが、まさしく献身的に、自分を押し殺しながらも男性のサポートに徹していらっしゃいました。

 

また当時は「士農工商」の時代ですから、身分階級も大変はっきりとしていました。

武士道が主君に対する「忠義」を重要な徳の一つとして位置付けていたことは先日のブログでも書きましたが、これは女性に置かれても同様のことでした。

娘は父のため、妻は夫のため、そして母は息子のために自己犠牲の精神でサポートに徹しました

自分を押し殺し、自己犠牲の精神でサポートする女性が素晴らしいとされていたからです。

そのため、女性は幼少の頃から自己否定を教え込まれたと新渡戸翁は述べています。

現代の我々からすると、あまり聞こえのいい表現ではありませんね。

 

真理に根付いた女性の強さ


とはいえ、このような女性の自己犠牲の精神は決して強要されていたものではないと新渡戸翁は述べています。

このような献身的な働きは、全て女性たちが自ら行った自発的な行為だったといいます。

これはまさしく、武士が自発的に主君に忠節を尽くしていたのと同様であったようです。

すなわち当時の女性は決して奴隷などではなく、ただひたすらに奉仕に尽くす精神で働いていたのでした。

ここには日本人らしい美しさが伺えます。

世の中には「与えるものに与えられる」と言う原理がありますが、その精神には見返りを求めない奉仕が元にあると言っていいでしょう。

当時の武士道において自己犠牲の精神は、女性のみならず男性にも当然求められました。

役割上の差異からその姿形に違いがあったとはいえ、誰しもが幼少の頃より自分を犠牲にしてでも誰かのために尽くすと言う精神を教育されていたのです。

近年では、科学の進歩によって「成功」の謎も徐々に紐解かれてきています。

その中で「自分以外のもののために頑張る利他的な取り組み」が人のエネルギーを高め、結果的に成功とも深く結びついていると言うことは、データから見ても明らかです。

「個人の尊厳」と「他者への奉仕」は一見対極に位置して聞こえるかもしれませんが、徳を追求した先には双方が見事の輝きを放つ境地があるような気がします。

武士道の精神に傾倒してほしいなどと言う思想は毛頭ありませんが、武士道は現代の日本人にとても良い素養を与えてくれるものと私は考えています。

人間として、本当に美しい生き方とはなんなのか。

本当に幸せな人生とは、どんな生き方をした先にあるものなのか。

武士道の教えからはそのヒントになる精神理念が詰め込まれていますので、皆さんも是非、触れてみてはいかがでしょうか。

 

最後に


いかがでしたでしょうか。

質問や感想などをコメントでシェアしていただけますと幸いです。

日本人として世界にはばたく人材が増え、グローバル競争の激化が進む現代社会においても日本が高いプレゼンスを発揮できるよう私も全力を尽くします。いずれは世界が一つになり、平和で豊かな社会になるような一助となれば幸いです。

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