こんにちは!
やり抜く英語コーチ、ひろあきです。
今日は、
「リスニングが苦手!」
「どうやったら効率よく英語を聴けるようになれるか知りたい!」
というお悩みを解決します!
英語リスニングトレーニングの王道、シャドーイングの効果とやり方の解説です。
(変速リスニングによるリスニング力向上についてはこちらから!)
シャドーイングとは
シャドーイングというリスニングのトレーニング手法を知っている人も、英語学習の方には多いと思います。
言語習得においては広く親しまれているトレーニング方法です。
これは、英語の音声のみを聞いて、流れてきた音声を少しだけ(1秒ほど)遅らせて発声するトレーニングです。
音声のコピー&リピートですね^^
このシャドーイングという手法が広く親しまれているのも、英語リスニング力を高めていく上で非常に有効な手法であることに他なりません。
僕自身、このシャドーイングに真剣に取り組んだことでリスニング力が飛躍的に上がりました。
また現在でも、リスニング力を高める時にはシャドーイングを取り入れています。
しかし、むやみやたらに英語を聞いてその音をコピー&発声していけばいいのかというと、そうでもありません。
また、誰がやっても同じような効果が出るというものでもありません。
より効果のある正しい方法で、かつその人にあったやり方でシャドーングすることが大切です。
ということで、ここからはもう少しシャドーイングについて解説した後、効果的なシャドーイングのやり方について説明していきます。
シャドーイングによるリスニング力向上の論理
どうしてシャドーイングをすることでリスニング力を効果的に高めることができるのでしょうか?
その論理を知るには、まず英語リスニングのメカニズムを知ることが大切です。
英語リスニングのメカニズム
英語のリスニングは、大きく分けて
①音声知覚
②意味理解
という二つのパートに分かれています。
音声知覚というのは、流れてきた英語の音を聞き取る力です。
一方の意味理解とは、聞き取った英語の意味を理解する力を指します。
意味理解は、英語の文章を読んで理解する力とほぼ同じであると考えていただいて結構です。
この音声知覚と意味理解というそれぞれのスキルに、単語・文法・発音といった基礎知識が合わさってリスニングは成り立っています。
英語リスニングのプロセス
では、実際に私たちの頭の中ではどのように英語リスニング(音声を聞いてから意味を理解するまでのプロセス)というものが行われているのでしょうか?
このプロセスは、第二言語習得研究理論の中で既に確立されています。
説明の仕方は人によって若干異なることはありますが、皆さん大体おっしゃることは同じです。
①音声知覚
まず、音を聞いた時に音声知覚が行われます。
この時に重要なのは、発音と単語の知識ですね。
自分にインプットされている発音知識と、聞こえてきた音の情報をつなぎ合わせて、何が話されているのかを理解します。
その音情報と自分の単語知識を組み合わせると、発声された英文がわかるというわけです。
これが音声知覚のプロセスになります。
②意味理解
音声知覚ができたら、次は意味理解のフェーズです。
意味理解のフェーズでは、単語と文法の知識が重要になります。
英語の音声が聞き取れたら、
・話された単語の意味はなんだろう?
・どんな順番(文法)で単語が並んでいるだろう?
といった情報を元にその音声の意味を理解していくのです。
これが意味理解のプロセスです。
音声知覚によって話された英文が分かっても、内容がスッと理解できないことがあります。
あなたにもそのような経験があるかもしれません。
これは、音声知覚ができていても意味理解ができていないことを指しています。
ちなみに余談ですが、この時に大切なのは、いかに音声知覚と意味理解のタイムラグを0秒にするかということになります。
すなわち、音声を聞いた瞬間に意味を理解できる状態が、英語リスニングの目指すべきゴールだとお考えいただければと思います。
ここまでが英語リスニングのメカニズムでした。
以上を踏まえて、リスニング力向上においてシャドーイングがもたらす効果と、そのメカニズムを説明していきます。
シャドーイングの効果
シャドーイングによって高めることができる最大の成果は、音声知覚と発音の向上、そして情報処理スピードであると僕は考えています。
シャドーイングは、要するに発声練習です。
正しく音声を聞き取れないとうまく発声できません。
またきれいに音声をコピー&リピートするためには、正しい発音が身についている必要があります。
一方で、その他の単語力や文法力、意味理解力などはシャドーイングで鍛えることができるかというと、絶大な効果は期待できないかもしれません。
上述したように、一口にリスニングとっても、音声知覚、意味理解、それを支える基礎力など、複数の要素が相まって成り立っています。
ですからあなたがリスニング力を高めたいと思った時には、自分がリスニング練習をする中でも特に改善しなければいけないポイントはどこなのかを、正しく分析することが必要です。
今後シャドーイングをする際には、音声知覚と発音のレベルを上げるものであるということを十分に念頭において取り組んでみてください。
なぜシャドーイングでリスニング力が上がるのか?
上述のように、シャドーイングによって鍛えることができる主要な力は、
・音声知覚(音を聞き取る力)
・発音(話す時に正しく発声する力)
・情報処理スピード(速い音声を聞く力や文章を早く読む力)
です。
では、シャドーイングがどうしてリスニング力向上に効果的なのか、その論理を説明します。
①リスニングの大原則
理由はとてもシンプルなものです。
それは、
「自分が正しく発声できる音は聞き取ることができる」
というリスニングの原則に由来します。
この原理を知っていることはとても重要ですので、もう一度言います。
自分が正しく発声できる音は聞き取ることができます。
情報処理スピードが高まるというのも、速い音声を正しく発音することができるということは、それだけ速く情報をキャッチできるようになるという論理になります。
ですから、正しく発声できるように練習しようという単純なロジックです。
正しこれが非常に強力なんです。
また、多くの人が分かっているようで徹底できてない部分でもあります。
シャドーイングをする際には、徹底的に音声の完全コピーに努めてください。
それを意識することでシャドーイングの質がガラリと変わります。
②音声知覚ができない4つの原因
シャドーイングで鍛えることができるのは音声知覚と発音の力(話す時)であると上述しましたが、音声知覚ができない原因は4つあります。
- 単語を知らない
- 発音を間違って覚えている
- 音の変化・繋がりが分かっていない
- スピードが早すぎる
まずはこれらの原因のうちでどれがあなたに当てはまるのか、分析することがだいじです。
シャドーイングを正しく行うためには、上記4つ全てに対応できている必要があります。
すなわち、もしあなたが正しくシャドーイングをできているとすれば、流れている英語音声の
- 全ての単語を知っている
- 正しい発音を覚えている
- 音の変化・繋がりが正しく認識できている
- スピードについていけている
という状態であると言えます。
いかがでしょうか。
シャドーイングでリスニング力が鍛えることができるのは、音声知覚の力を高めることができるからです。
シャドーイングを通じた発声練習によって正しい発音を身に付けることができることが、
正しく発声できる音は聞き取ることができる
というリスニングの原則に促しています。
また、速い音声を発声できるようになることで、英語の情報処理スピードも高めてくれるのです。
シャドーイングが優れた学習効果をもたらしてくれる論理については、ご理解いただけましたでしょうか?
それでは最高の学習効果を得るために、シャドーイングの具体的なやり方について書いていきます!
成果が出るシャドーイングの7ステップ
シャドーイングはとても優れた英語トレーニング手法の一つであると言えますが、やり方や主旨を間違えると期待しているほどの学習効果を得られなくなってしまいます。
その人の英語レベルによっても多少やり方が変わってきたりもしますが、今回は僕が考える一番オーソドックスなやり方をお伝えします。
持ち物は以下の通りです。
持ち物
- 音声機器(スピード変化機能があると望ましい)
音声はなんでも大丈夫ですが、多くの人はTOEICなどの試験音声を使用するとやりやすいのではないかと思います。
もし英語上級者の方であれば、映画やドラマ、スピーチ、海外ニュースの音声などにチャレンジしても良いでしょう。- 音声のスクリプト
- マーカーペン
- 録音機器(スマートフォンなど)
step1 まずはそのままシャドーイングして録音する
最初にシャドーイングをしてどのくらい話せるか確認してみましょう。
大体40秒から1分くらいの長さで行うのがやりやすいと思います。
そして自分が発声している音声をスマートフォンなどで録音します。
この録音音声が後ほど非常に役に立ちます。
step2 分からない単語、聞き取れない部分にチェック
喋りながら分からない単語や聞き取れない部分が出てくると思います。
音声のスクリプトを用意して、それらの単語やフレーズにマークをしましょう。
知らない単語やフレーズは必ず意味も確認するようにしてください。
step3 録音した音声を聞いて言えてない部分をチェック
次に、録音した自分の音声をチェックします。
自分では言えていたつもりでも、改めて聞いてみるとボロボロであるのが分かったりするものです。
言えてなかった部分を洗い出し、またスクリプトにマークしましょう。
step4 単語・フレーズのインプット
step3まででスクリプトにマークした単語やフレーズのインプットを行います。
やり方は、
英語→日本語
の順番に音読をしていってください。
全ての単語を2回ずつ音読していき、それを最低5周は行いましょう。
この時、正しい発音で音読すること、単語の意味をできるだけ鮮明にイメージしながら音読することを強く意識してください。
単語学習のより詳細なやり方は、下記の記事で紹介しています。↓↓↓
【英単語の覚え方】1日20分で1年2600語、誰でも ”絶対に” 覚える学習法を公開!
step5 チェックした部分の重点練習
続いて、スクリプトにマークしたフレーズや文を重点的に発声練習します。
音声を聞いて、マネする
ということを繰り返し行ってください。
音のつながりや変化には十分気をつけましょう。
時に音声スピードをゆっくりにしてやってみるのも効果的です。
この重点練習でいかに一つ一つの発声をこだわってできるかが、シャドーイングによるリスニング力向上の肝だと思って下さい。
step6 スクリプトをみながらリピーティング&オーバーラッピング
それでは、また40秒から1分の同じ音声を通して発声していきます。
この段階では、スクリプトを見ながらで構わないので、最初に音声からやや遅れて発声してみください(リピーティング)。
次に、今度はスクリプトを見ながら、音声と同時に発声してみましょう(オーバーラッピング)。
step7 もう一度シャドーイングして録音
そして最後です。
集大成としてシャドーイングをし、音声を録音して聞いてみましょう。
見違えるほどに発声が上達しているのが分かるはずです。
シャドーイングのやり方は以上です。
40秒から1分の音声を1セットとして行いましょう。
あなたのリスニング力が上がるにつれて、1セットにかかる時間が短くなります。
慣れてきたら音声のスピードを早めてみましょう。
初めのうちはとても時間が入りますし、根気が必要かもしれませんが、この7ステップを通じて100%リスニングレベルは上がります。
しかも短期で。
このトレーニングを1日30分、1週間行えば既に違いが見えてくるはずです。
シャドーイングの注意点
最後に、シャドーイングを行う際に注意していただきたいことを書いて終わりとさせて頂きます。
冒頭でもお伝えしてきましたが、誰でもただシャドーイングをすれば英語力・リスニング力が高まるというものではありません。
シャドーイングをする際には、以下のことも考慮するようにすると、確実な成果に結びつけることができます。
- 自分が手に入れたいスキルは音声知覚や正しい発音なのか
- 使用している音声のレベルは難しすぎたり簡単すぎたりしていないか
- スピードは速くしすぎていないか
- 分かっていないところの見逃していないか
本日の投稿は以上になります。
シャドーイングを通じて、最高の英語学習をしていただけたら嬉しいです。
あなたのやり抜くを応援しております。
最後に
いかがでしたでしょうか。
本ブログがあなたの人生に少しでもお役立ちできれば幸いです。
近年グローバル化が進み、人生で大切な資源として「人・モノ・金・情報」が挙げられています。
最新の情報・最先端の情報を手に入れるための最強のツールこそが、
語学力
です。
世界では我々日本人が想像だにしないイノベーションの連鎖が起きています。
これからも未来永劫、日本が繁栄を続けていくためにも、国際標準で優れた人材の輩出は急務です。
微力ながら、私も未来を切り開く人材の一人として尽力して参ります。
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